特定非営利活動法人

仙台敬老奉仕会


第28回研修会

平成25年2月1日
会場:仙台福祉プラザ 第1研修室

講師: 清川邦子(認知症看護認定看護師、東北労災病院副看護師長)

演題: 認知症患者(認知機能が低下した患者)への接し方

要約:

2008年、認知症看護認定審査に合格し、認知症看護認定看護師の資格を得る。
認知症とは認知機能が低下し、日常生活に支障をきたしたもの。
85歳以上の高齢者では25%以上の頻度で認知症が見られる。

認知症の患者は、周囲の状況が理解できず、見知らぬ世界に迷い込んだような状態となり、不安と緊張の連続となる。

1. 理解の速度が遅いため、世の中の現象がテレビを3倍の速度で見ているような状況となる

2. 周りから不可解の攻撃を絶えず受けているように感じる。脅える。

3. 自分をうまく処理できない。混乱と嫌悪を体験する。

4. 自分が壊れて行く。不安と動揺が絶えない。

5. 逆行性の体験。昔の大事な記憶は点状に残る。点をつなぎ合わせて自分の世界を保とうとする。

認知症の中核症状 記憶障害。それの基づく生活不適応。
認知症の周辺症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia、BPSD)
不眠、妄想、幻覚、不穏、徘徊、異食、暴力、昼夜逆転、弄便、抑うつ、帰宅願望、ケアの拒否、放尿、夜間譫妄など。これらは症例によって頃なる。周辺症状がない例もある。
暴言や暴力は自分を守るための行動

ケアの原則:

1. 存在を尊重し、ありのままを受け止める
2. 説明は繰り返す。気軽に声を掛ける。
3. 環状に共感し、明るく取り扱う。
4. 適度に受け入れ、少しずつ現実に導く。
5. 患者ができない部分は手伝う。
6. 言葉ではなく、表情や態度で心を伝える。
7. 危険が無いように見守る。
8. ケアする人がうまく対処する。非難したり、たしなめたりしない。
9. ケアする人は感情的にならない。

ケアする人の基本的態度

1. ゆっくりとした店舗で話す。
2. 声のトーンを落とす。音程は低めに、挨拶は明るく。
3. 言葉ではなく、表情を読み、確かめる。
4. 感情の交流を大切にする。
5. 不安を取り除く。

認知症の緩和ケア、タクテールケア:宅テールは「触れる」といういみ。スウェーデンで開発された独特のマッサージ。認知症患者に対するコミニュケーションツールとして確立している。
演者は参加者の一人に患者役をして貰い、マサージの実演を供覧した。1回10分くらいのマッサージで、表面にゆるく接触する。内部の筋肉をマッサージするのではない。


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