特定非営利活動法人

仙台敬老奉仕会


第32回研修会

平成25年9月27日、午後3時から
仙台福祉プラザ 第1研修室 出席者45名

シンポジウム主題:介護ボランティア実践者による現状報告

シンポジスト

1.齋藤みさ子 サン・つばきボランティア
2. 黒石 賢  せんだんの里、水泉荘と寶樹苑いずみボランティア
3. 小野寺 勝 リーフ鶴ケ谷ボランティア
司会:岡本仁子 当会理事、4特養(リーフ鶴ケ谷、パルシア、サン・つばき、せんだんの里)のボランティア

発言要旨:

1.齋藤みさ子 サン・つばきボランティア
子供のころから読書が好きだった。現在会社勤務。ボランティアは終末(土、または日)のみ可能なので、土曜に特養サン・つばきで2年前からボランティアをしている。
 母は90歳を超す長寿者だったが、最後は施設にお世話になった。当時、母のいる施設に行くと、他の利用者の方が私をジッと見る視線を感じた。「私にも来て下さい」と言っているように感じた。
それから、私も施設でボランティアをしたいと思うようになり、母を看送った後、寄り添いボランティアを始めた。
 サン・つばきのボランティアは、初め2人で始めたが、今は8人に増えている。それぞれの得意技に従い、また時に応じて寄り添いを実施している。寄り添って話し相手をする。将棋の好きな人の相手になって将棋を指す。歌を歌う。コマ作りの上手な人が持参した手作りのコマでみんなを喜ばせる。個室で寄り添う。私は常にスキンシップを心掛けている。
 毎週行くと、「待ってたよ」、「遅かったね」などと迎えられ、嬉しくなる。
 みなさん、入所者に触れると、明日は我が身と思い、他人事ではなくなる。
 皆さん、寄り添いボランティアは誰でもできます。医療や介護は医師や看護師や介護士だけでは十分ではない。地域が介護を支えなければならない。ボランティアは自分の健康によく、認知症になりにくいと言われている。活動することでそれを実感することができました。

2.黒石 賢 せんだんの里、水泉荘と寶樹苑いずみボランティア
74歳、神戸市出身。転勤族で全国を転々としたが、定年後は仙台に定着した。
最近まで高齢問題に関心が無く、特養も、そのボランティアも全く知らなかった。町内会で、ボランティアに関心がある人は申し出て下さいと誘いがあり、そこに名前を書き込んだ。するとこの会のメンバーが一緒に行こうと誘ってくれ、特養に行き、初めは見学した。やがて自分もやってみると、興味が出てきた。今では3か所でボランティアをしている。
 月曜日には午後2時から4時まで、せんだんの里でボランティアをする。木曜日には寶樹苑いずみで午後1時から4時まで、金曜日には水泉荘で午後1時から4時までやっている。
 奉仕の内容は寄り添いであるが、主に話を聞くようにしている。戦争体験、戦後の食糧難、学徒動員など、生々しい話が多い。涙を流しながら語る人もいる。最初に行くと、うるさいと嫌われても、何度か行くと打ち解けてくる。辛抱が大切。時にはなぞなぞをする。「セールスマンがいました。トラを売っていました。トラ売りは誰でしょう」。答えはウルトラマン。「醤油売りは?」 キッコウマン。これは受ける。帰るとき、「また来てね」と言われて嬉しい。
 施設では華道教室、書道教室がある。それを手伝う。褒めてあげることが大事。
いけないのは早口、高慢、否定的な言辞、高笑い。
私はまだボランティアを生き甲斐と感じるまでに至っていないが、楽しく続けている。
 これからは認知症について学びたい。

3.小野寺 勝 リーフ鶴ケ谷ボランティア
定年後いろいろ病気をした。直腸ガン、前立腺ガン、肺ガンなどをして、今も医師の管理下にあるがこうして動ける。家で妻といると妻の邪魔になる。買い物について行っても自主性がない。何か自分の場所が欲しいと思っていた。たまたま吉永 馨先生のNHK深夜便放送を聞き、ボランティアの存在を知り、この仲間に加わった。特養リーフ鶴ケ谷に行き、ボランティアを始めたがまだ日が浅い。
 リーフ鶴ケ谷には木曜日午後1時半か4時まで行く。行って職員に挨拶し、行く先を指示され、そこに行き、そこでこちらから自己紹介をする。帰りには職員に報告し、報告書を書く。
 入所者の名前を覚えるのが難しいがだんだん覚えた。継続が大切。入所者に怪我をさせないこと、外から風邪などを持ち込まないことに心がけている。入所者と話すとき、きっかけ作りが大切。反応が無くても待っていると応じてくれる。待つこと、聞くことが大切。私は折り紙が得意で、紙の兜を新聞紙で作り、かぶせてあげたりする。
 ボランティアは研修会で学ぶことが必要。市民に呼び掛け、学びを拡げることが必要である。ボランティアはパチンコよりいいこと数倍。私のように病気があってもボランティアはできる。みんなで一緒にやろう。
 提案として、一定の研修を修了した者に修了証ないしボランティア認定証を出してはどうか。

司会者 岡本仁子 リーフ鶴ケ谷、パルシア、サン・つばき、せんだんの里のボランティア
今回は、前回の3つの施設長の話を受け、その3施設で活動している方にお話を伺った。自分も5年前から寄り添いボランティアをしている。初めはいろいろ工夫して相手を楽しませようとしたが、だんだん分かってきたことは、施設長の方もおっしゃっていたが、利用者さんの求めていることを察し、何もせず黙って寄り添っているだけでもよいということだった。一緒にいる事(ビーイング)が何かすること(ドゥーイン)よりも大事だと気付いた。
 ボランティアの仕方は人それぞれ、自分に合った仕方ですればよいので、決して難しいことではない。躊躇している方は心配しないで参加して頂きたい。自信がない場合は、見学実習すると良いので、申し出て下さい。
 皆さんのご理解とご協力によってこの運動を進めたい。仙台を介護ボランティア先進地にしたい。


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